家族にデジタルアカウント情報を伝えてますか?
あまり考えたくありませんが、突然自分が事故にあって他界したと考えたとき、数多あるデジタルサービスアカウントはどうなるのでしょうか。
家族はどのようなサービスに加入していたか知る由もなく、特に最近主流のサブスクリプションサービスの場合、全く利用していないのに料金はずっと請求され続けます。加入状況やID、パスワードの情報が分かっていると、解約手続きもスムーズに実施できます。
特に銀行等の金融口座の情報は家族へは確実に情報伝達しておきたいところです。
Googleのアカウント無効化管理の活用
Googleのアカウント無効化管理サービスを活用しましょう。もしも、自分の身になにかあり、設定した期間中にGoogleアカウントの利用が無い場合に、設定した連絡先に自動で連絡をとってくれる機能です。
例えば家族の連絡先を登録しておけば、自分が対応できない状況になった時に家族にGoogleアカウントの権限を渡して、操作をしてもらうことが出来ます。Googleアカウントサービスを利用できるように設定しておけば、Googleパスワードマネージャの情報を家族は確認できますので、各種デジタルサービスのID・パスワードの確認が可能です。
パスワード管理をGoogleパスワードマネージャに任せることで、セキュリティの高度化とデジタル終活に活用できます。しかし、このGoogleアカウント無効化管理は最低期間が3ヶ月となっており、自分が死亡してから3ヶ月経たないと家族に通知メールが届きません。
以下のように手続きすることで、家族がコンテンツにアクセスできるようにしてもらうことは可能ですが、不正防止のため確認にはかなりの労力がかかりそうです。やはり万が一に備えて事前にアカウント無効化管理サービスの設定はしておきましょう。
Line「タイムカプセル」でデジタル終活
Lineでデジタル遺言書を作成できる「タイムカプセル」というサービスが人気です。こちらは無料で利用でき、設定した家族が遺言書を受け取る申請をし、死亡が確認できればデジタル遺言書を受け取る事が出来ます。こちらに必要な情報を登録しておくことで、家族の方は様々な手続きをスムーズに実行できます。
このサービスを提供するのは、株式会社ユニクエストという会社で、小さなお葬式やてらくるといった、法事関連の事業を営んでいます。なぜこのサービスは無料なのかな?と思いましたが、死亡した際のファーストコンタクトとしてタイムカプセルが利用されますので、そこから別の事業へ繋げる戦略なのかなと思いました。
しかし、このサービスを利用したからといって、ユニクエストのサービスを利用しなければならないという制限もありませんので、使えそうだなと思った方はデジタル遺言書を検討してみてはいかがでしょうか。
サブスクサービス事業者はGoogle方式の導入を
サブスクリプション(定額制)サービスを提供する事業者は、Googleのアカウント無効化管理サービスのような機能を採用すべきだと思います。家族の方が亡くなった方が利用していたサービスすべてを把握することは難しく、料金だけが支払われて数か月気付かないといったことが今後ますます発生します。
サブスクサービスの中には、入会は簡単なのに解約手続きを困難にしてユーザーを囲い込んだりといった悪質な事業者も増えており、先日サブスクの解約を容易にすることが努力義務とされる法改正を実施しました。この改正でも改善されない場合、さらに強制力の強い法律に改正されると思われます。サブスクサービスは自動で継続料金が支払われるという仕組み上、解約やトラブル対応をしっかり行わないと、毎月ユーザーにサービス継続意思確認ステップが必要といった、サブスク規制的なものが求められることになるかもしれません。そうならないうちに事業者サイドから対策を真剣に検討すべきでしょう。