エアタグストーカーによる殺人事件!不正エアタグ検出の必要性について

文化

エアタグでストーカー行為がエスカレート

はじめに書いておくと、iPhoneのエアタグはストーカー行為等の犯罪への対策がかなり考えられた製品設計となっています。しかし、先日海外でiPhoneのエアタグによるストーキング行為から、殺人に発展する事件が発生してしまいました。これは、様々な悪い状況が重なったか犯罪行為のために改造されたエアタグが使用された結果、事件に発展したと思われます。

Appleはストーカー行為への対策を順次進めていますが、エアタグは今後いろいろな形で商品展開される可能性がありますから、身を守るにはまずエアタグの仕組みを知り、なんらかの対策を考える必要がありそうです。

エアタグの基本的な仕組み

AppleのエアタグはBluetoothとUBWにより、タグ自身の位置を発信しています。UBWはタグの位置をより正確に知るために利用されます。

世界中のiPhoneがエアタグからのBluetooth通信を受けとり、エアタグネットワークを構築することで、落とし物についたエアタグ付近に誰かのiPhoneが存在すれば、エアタグの位置を特定することができます。かなりレアケースかと思いますが、人が立ち入れないような場所に落としてしまった時は、位置の特定が困難になる可能性があります。

エアタグが悪用される可能性について

はじめにも書きましたが、Appleのエアタグに関しては犯罪行為への対策が実施されています。しかし、非常に小型でかつ世界中で位置特定が可能なことから、犯罪行為に使用される事件が多発しています。

エアタグの犯罪行為対策として主なものは以下です。(2022年6月時点)

  • エアタグの持ち主からエアタグが一定時間離れると音が鳴る
  • iPhone所持者の近くに他人のエアタグが長時間あると通知が来る。

他にもソフトウェア的に不要な追跡が出来ないようになど、改良は続けられているようですが、基本的な対策は上記になります。

悪用されるケースについて、例えばストーカー行為のために他人のバッグにエアタグを忍ばせる。また、自動車の窃盗犯がターゲットの車にエアタグを貼り付ける。こういった行為に対して被害者がiPhoneを使用している場合、エアタグから自分のiPhoneに通知され、不信なエアタグが近くにある事を知らせます。また、被害者がiPhoneを使用していない場合でも、エアタグが音を鳴らして知らせるので、その音で不信なエアタグの存在に気付くことができます。

エアタグの犯罪対策は回避可能

2022年6月時点では、エアタグの犯罪対策はまだ充分ではありません。まず被害者の方がiPhoneを利用していない場合は、通知機能はiPhoneにのみ機能しますから、通知による防止機能については有効に働きません。

もうひとつの対策の音を鳴らす機能に関しては、実はちょっとした改造でエアタグの音が鳴らないようにすることができます。当然悪用目的で使用する犯罪者なら、音が鳴らないように改造するのは当然です。海外で発生したストーカー殺人に関しても、音が鳴らないように改造したものを使用した可能性が高いです。

エアタグによる犯罪から身を守るには

エアタグの仕組みと悪用の可能性について確認し、現時点では悪用される可能性があるということを認識しました。ではどのように身を守るのか?

Appleのエアタグに関しては、Androidユーザー向けに「トラッカー検出」というアプリが提供されています。犯罪行為に利用されている可能性のある、近くのエアタグを検出することが可能です。

Gooeleプレイストアのアプリ評価は低いスコアになっていますが、このアプリの機能を勘違いしたユーザーによる低評価の影響ですので、このアプリによるAppleのエアタグ対策は有効です。

また、サードパーティからもトラッカー検出アプリは提供されています。そういったものを活用するのも良いと思います。アプリストアで「Tracker Detect」や「トラッカー検出」と検索すると、いろいろなアプリが出てきます。

Youtuberでストーカー行為に不安がある方や、盗難犯に狙われる可能性の高い車を所持している方など、トラッカー対策を真剣に考えてみてはいかがでしょうか。

優れたテクノロジーが犯罪行為で台無しにされるのは非常に残念

Appleのエアタグは多くの方が「あったらいいな」と考えていた製品だと思います。他社からも紛失防止タグ製品は発売されていましたが、Appleのエアタグのように、財布に入るほど小型で、さらに離れた場所のどのあたりに落としたかまで、正確に知ることができるものはありませんでした。他社製でも同様の仕組みの製品はありますが、世界中のiPhoneネットワークで位置を特定するような仕組みには敵いません。

しかし、犯罪行為に使用されてしまうことで不毛な対策が必要となり、その対策によりエアタグの利用用途が制限されてしまうことが非常に残念です。

たとえばエアタグを盗難防止にも利用したいと考えた時に、音や通知でエアタグの持ち主以外に知らせる機能は逆効果です。犯人にエアタグの存在を知らせてしまうことになります。

また、紛失防止としての利用についても、持ち主の手元を離れると音が鳴る機能のおかげで、逆に悪意ある人に落とし物の存在を知らせる結果になりかねません。財布など貴重品ですとエアタグを取り外し、そのまま持ち去られる恐れが高いです。

せっかく「あったらいいな」が実現したのに、犯罪対策を強化するうちに本来の目的でも利用出来ない微妙な製品になっていくのが残念でなりません。

有効性は低いかもしれないが法律での抑止が必要か

エアタグは紛失防止、盗難防止に有効です。また、現在は犯罪防止のためか動くターゲットのトラッキング精度を落としている印象ですが、本来の性能を発揮すれば小さなお子さんや認知症の方、ペットなどの居場所確認などにも使えるはずです。

そのためにはエアタグの犯罪利用を抑制するほかありません。有効性は低いかもしれませんが、エアタグの所持を登録性(お役所仕事で煩雑にならないような仕組みで)にするですとか、エアタグの犯罪利用の厳罰化など法律による抑止も考えないと、このままではエアタグ技術の発展は難しいのではないでしょうか。

スマホカメラが登場した際も盗撮行為などが問題になり、現在もその問題の根本解決には至っていません。便利なテクノロジーにつきものの犯罪行為。それらにより技術の発展が阻害されることが残念です。ユーザーとしては、これらのテクノロジーの仕組みやリスクを理解し、必要な対策を講じることが重要です。

ちなみにエアタグは用途を守り利用する分には非常に便利でおすすめです。

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