石破首相が会見で半導体および人工知能分野に、公的支援を大規模に行うと打ち出しました。
2030年度に向け10兆円以上の支援ということで、この施策に乗ってどれほど国内半導体事業が盛り上がるか注目です。
Cell-BEほどワクワクすることはないだろうな。。
円安がしばらく続きそうな状況で、さらに水資源が豊富な日本ということも相まって、国内に半導体工場建設ラッシュが起こるかもしれません。
しかし、日本で半導体復活となったとしても、おそらくARM系か組み込みが主流になるでしょう。
過去のゲーム機PlayStation3に搭載された、国内独自設計の高性能半導体Cell-BE(セルブロードバンドエンジン)のようなワクワク感は無いだろうな。。と感じます。
Cell-BEはPSが停滞する原因にはなったものの、現在のCPUの考え方を先取りしており、ゲーム機よりもCPUに注目が集まるという珍しい状況でした。
少ないコアで周波数を高めて性能を上げていた時代に、マルチコア(8コア)で並列処理により性能を引き上げるという、現代のCPUで主流となっている技術をいち早く実現しました。
その分、かなりピーキーで開発者が技術に追いつけず、PS3だけが孤立するような状況になりました。ストリーミング処理が強みとして、キャッシュメモリが極端に少ないといった部分も開発者の頭を悩ませたところでしょうか。
すぐには性能を使いきれないあたりも、夢のある半導体だったなと感じます。
技術的ブレークスルーが起こらない限り半導体需要は増え続ける
生成AIがしばらく技術トレンドのトップを走り続けることは間違いないはずで、生成AIの技術向上にはまだまだ半導体が必要です。
非常に少ない半導体で処理が可能になるほどのブレークスルーが無い限りは、半導体は作っても作っても足りないという状況は続きます。
そんな中、円安プラス物価安(世界と比べてかなり安い)で、かつ基礎学力が高い日本は、半導体工場を建設するには非常に魅力的です。
生成AIがホワイトカラーの仕事の大半を奪うでしょうから、工場ではたらくブルーカラーの魅力が高まるでしょう。雇用の面でもかなり良いのではないでしょうか。
半導体と人工知能に10兆円程度で何ができるんだ?という意見もありそうですが、国内半導体を盛り上げるキッカケにはなるのではないかと思います。すなおに期待したいと思います。