メタバースの時代はいつか来るが、数年先か数十年先が分からない
各種メディアにてmeta(Facebook)のCEOマーク・ザッカーバーグ氏が公開した、同社開発中のメタバース空間の画像が、数十年前のゲームソフトか?というクォリティでネタにされています。
その後、この画像は急遽制作したもので、実際にはもっとハイクォリティなものだとコメントをしているようですが、なかなか厳しい船出となりそうです。
また、少し前にはDMM.comがメタバース関連のサービスを終了するとアナウンスしており、メタバースが本格化するのはまだまだ先の事なのかな?と感じてしまいます。
metaが公開したメタバースは現実的だが夢が無い
各社から酷評されているmetaのメタバース空間ですが、私は現在の技術では、このぐらいのクォリティで運営するのが現実的ではないかとも感じました。
metaがサービス展開を狙っているのは、現在Facebookを提供している世界規模だと考えると、通信回線が貧弱で、かつ利用している端末も低性能なものが主流という国や地域はたくさんあります。そういったところにも快適にサービス提供するには、あまりハイクォリティな世界にはできないのではないでしょうか。
そう考えるとmetaのアプローチは現実的なのですが、メタバースを率先して利用しそうなアーリーアダプター層の方にはウケは悪そうです。「夢が無い」というのが率直な感想です。
今回のブーイングを受けて、metaがどのように挽回するのか楽しみです。
GoogleはARを中心にアプローチ
仮想空間といえばARを中心にアプローチをしているのが、Googleを傘下に置くalphabetグループです。
先日、ポケモンGOで有名なNIANTIC(ナイアンティック)がLightship Visual Positioning System (VPS)を公開しており、これによりARコンテンツの開発が容易になります。
Google(alphabetグループ)の得意戦術ですが、優れた開発プラットフォームを提供して、自分たちのルールに周囲を巻き込み、優位な立場を保持するものです。
VR型のメタバースの場合は、世界全体を構築する必要がありますが、AR型の場合は世界は現実世界で、その上で利用可能なサービスコンテンツの構築に注力が可能です。
現実世界でコンテンツを展開するには、それはそれで課題はありますが、世界の広い地域で提供するにはAR型の方が現実的なのかもしれません。
メタバースの普及には現実世界の充実も不可欠
メタバースは仮想空間に自分の世界が構築できるということで、魅力的に映るところもあるかもしれません。メタバース空間で仕事もでき、お金も稼ぐことができるのです。
しかし、現実世界での食事は必要ですし、掃除や洗濯、お風呂に入ったりも必要です。
メタバースがいくら充実していても、現実世界に戻る必要はある。この状況でどこまで人はメタバースに入り込めるのか。また、戻ってきて正常に現実での生活が可能なのか。異世界転生して「俺強ぇー」な状態から、定期的に平凡な現実に引き戻されるわけです。
ゲーム依存症に近い状態になったりしないのか心配です。人間の精神はそれほど強いものではありません。メタバースと現実のギャップに苦しむ人などが出てきそうです。
メタバースの普及には現実世界とのリンクにより、両方が充実している状態が重要だと考えます。メタバース世界だけを考えれば良いというスタンスでは、メタバースの普及は難しいのではないでしょうか。
上記のように考えたとき、現実世界がベースのAR型のメタバースは現時点では可能性が多いような気がします。
メタバースなんてオワコンだ!と言い切るのは簡単です。数年先か数十年先か分かりませんが、なんらかの形でメタバースの時代は来るので、世界の動きをよく把握して、率先してこういった技術に触れていくようにしたいですね。
メタバースと現実世界、どちらもフレキシブルに行き来して、どちらの空間でも充実した生活が遅れるような、そんな時代になれば、自ずとメタバースが生活に浸透するのではないでしょうか。(かなりハードル高そうですが)