この夏の勢力図で今後が占えるかも
楽天モバイルの0円プラン終了はいろいろなところに影響を与えています。移行期間を経て11月には既存ユーザーも0円プランから完全に移行することになります。当然移行を見据えて、各社様々なキャンペーンや新プランを投入しようとしています。
9月くらいまでには各社の動きも出揃うでしょうから、携帯電話料金を見直す良い機会になりそうです。
私的に有力なのはmineo660円プラン
2022年6月時点で私的に有力なのが、8月下旬から提供されるmineoの「マイそく ライトコース」です。月額660円でパケットは使い放題ですが、通信速度が最大300kbpsとなります。また、平日の12時〜13時は速度制限かかり最大32kbpsとなりますので、この時間帯は音声電話とメール受信ぐらいしか出来なくなります。
最大300kbpsって大丈夫?と思いますが、私は以前最大200kbpsの環境でしばらく使っていたことがありますが、Lineの通話は問題なく出来ました。ビデオ通話や動画視聴は厳しいです。音楽のストリーミングサービスは問題なく使えます。大多数の人が300kbpsでも問題無いのではないでしょうか。
9月頃まで他に有力なプランが無ければ、サブ回線はマイそく ライトコースか通常のマイそくにしようかなと思っています。
NUROが光とセットながら0円プラン
基本料0円はPovo2.0のみかと思いきや、NUROより光回線とセットならモバイルが0円になるプランを新設しました。正確にはセット割の金額を上乗せし、モバイル3GBプランが0円になるというものです。
現在NURO光を使っている方は、検討してみてはいかがでしょうか。やはり単独で0円というのはなかなか厳しいため、セットプランにしたりといったアプローチはこれからもっと増えそうです。
あまり泥沼にならないよう健全な競争を
もともと大手携帯キャリアの料金高止まりを嫌い、総務省は通信設備を借りてサービスを行う、MVNOの格安SIMキャリアが参入しやすい環境を作りました。総務省の思惑通り携帯料金も徐々に下がり始めましたが、ある水準のところからは大手キャリア同士で探り合いとなり、料金も下げ止まりました。
そこに一石を投じる楽天モバイルのMNOキャリア参入により、再度料金のテコ入れが入り、さらに大手キャリアはオンライン専売の格安プランを開始。料金は一層下がりましたが、これにより料金引き下げに貢献してきたMVNO各社は苦境に立たされます。
そんな中で、楽天モバイルの0円プラン廃止という大きな変化が訪れたのですから、ひさびさにMVNO各社に活気が戻りそうです。大手キャリア3社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)は、この楽天モバイル0円廃止に対して、あまり動きは見せていないのもMVNOにはチャンスと映るでしょう。
しかし、ここで競争が激化し「スマホ本体0円」ですとか、「今契約すれば永年基本料0円」みたいな無茶なことを仕掛けると、取り返しがつかなくなる恐れもありますので、健全な競争に留めて欲しいところ。そうしないと業界全体が疲弊する恐れもありそうです。
無料で集客する戦略はもう通用しない
フリーミアムモデルにより基本無料でユーザーを集め、その中の一部の方がヘビーユーザー化することで事業全体としては成立するという形式は、一部の特殊な産業を除いてはもう通用しないと思われます。
すでに確立された事業に後から参入するには、フリーミアムモデルで壊してしまうことで、トップシェアをもぎ取ることは可能性としてはありますが、壊してしまった後に苦しむのは結局自分ということで、業界の健全性を確保するという意味では、フリーミアムモデルは危険です。
緑豊かな森林を焼き払い、既存の支配者を退けたとしても、すでに焼野原になってしまった場所を支配したところで空しいだけです。楽天モバイルは結局支配者を退けることができないまま、自分自身が深い傷を負ってしまいました。しかも森林の多くは焼野原となり、以前のような豊かさも無くなりました。
日本の携帯電話の品質は非常に高いです。総務省は品質の劣る諸外国と料金比較し、必要以上に料金値下げを進めました。携帯電話事業に関係するメーカーや建設業者すべてが、料金値下げの煽りを受けています。携帯料金が1,000円安くなって嬉しい!と喜んでいる裏で、家族の収入が1万円下がっていた。何てことも起こっているでしょう。
日本社会の出る杭は打つ的なところを見直さないと、日本人は誰も幸せになれず海外企業の養分となってしまうでしょう。