欲しくても買えない「ポケカ難民」への福音
「新作の予約開始日にサイトへアクセスしても、すでに完売」「抽選に応募し続けているのに、一度も当たらない」――。そんな、いわゆる「ポケカ難民」となってしまったファンのガッカリが止むことはありません。
その背後には、プログラム(Bot)を駆使した買い占めや、数千ものアカウントを使い分ける転売ヤーの影があります。
こうした状況に対し、株式会社ポケモンが発表した「マイナンバーカードを用いた本人確認システムの導入検討」というニュースは、非常に喜ばしいことです。
私も子どもが小さかったころに、誕生日プレゼントにポケカをねだられましたが、購入することができずに他のもので我慢してもらったつらい思い出があります。
マイナンバーで「複数アカウント」を封印
転売ヤーは大量のメールアドレスや電話番号を使い回して作成した「複数のアカウント」で当選率を上げます。しかし、マイナンバーカードによる認証はこのスキームを根底から破壊します。
マイナンバーカードは国が発行する「1人1枚」の物理デバイスです。この「個人の実在性」というアナログな制約が、デジタル社会における最強の不正対策として機能します。
最後は「物理的な個体」というアナログな対策が、Botを用いた大量応募を物理的に無効化するのです。
個人情報は守られる「12桁の番号」は渡さない

マイナンバーでの認証と聞くと、大切なマイナンバーを渡して大丈夫か?という不安を抱くかもしれませんが、技術的な仕組みを理解すれば、その懸念は解消されます。
実際には、ポケモン社があなたの「12桁の個人番号」を取得したり、サーバーに保管したりすることはありません。利用されるのはICチップ内の「利用者証明用電子証明書」を用いた公的個人認証です。
この公的個人認証は、「物理的な鍵(ICチップ)がなければ開かないデジタル金庫」です。
外部の認証サービスを介して「本人であることの証明」のみを受け取るため、ポケモン社側にマイナンバーそのものが残ることはありません。
一般店舗やアマゾンは従来通りの販売に
非常に強力なこのシステムですが、万能ではありません。
この認証が適用されるのは「ポケモンセンターオンライン」や「公式大会」の申し込みに限定されます。Amazonや家電量販店、コンビニなどの一般流通において、一私企業が他社のシステムに公的認証を強制することは不可能です。そのため、一般ルートでは引き続き転売ヤーとの過酷な競争が続くでしょう。
ポケモンカードの主役である子供たちにとって、マイナンバーカードによる認証は高いハードルとなります。
公式もそれは認識しており「年齢に応じた運用ルールを検討中」としていますが、子供たちの遊びやすさを守りつつ不正を防ぐという難問に対し、どのような回答を出すのか。
転売ヤーによる批判展開がされるが無視しよう

ポケモンカードにおけるマイナンバー認証の導入は、一つのゲームの枠を超えた社会実験です。この試みが成功すれば、ガンプラやスニーカー、コンサートチケットといった「転売問題に悩むあらゆる業界」へと波及し、限定品販売の新たなスタンダード(標準)となるでしょう。
こういった取り組みが広がると、転売ヤーは非常に困るため、SNSなどでプライバシーや子供の利用の不便さなどを理由に批判が展開されるでしょう。そういった声は無視して、このような取り組みについて成功を期待したいところです。
本当のファン(愛好家)が正当な価格で商品を購入できる「あたりまえな世界」が早く訪れてほしいですね。

