生成AI時代に必須!プロンプトエンジニアリングスキル
プロンプトエンジニアリングとは、人工知能に対して人間がプロンプト(指示)を与え、それに基づいて適切な応答を返すように指導する技術や手法のことを指します。
ChatGPTをはじめGoogle Bardなどの生成AIの注目度が高まるにつれ、プロンプトエンジニアリングへの関心も高まっています。
先日プロンプトエンジニアリングガイドの日本語訳版が公開されました。最新の全般的な内容を知るには最適なガイドです。興味がある方は一読することをおすすめします。
プロンプトエンジニアリングは、人工知能がより正確な回答を返すように指導することが含まれます。プロンプトエンジニアリングは、ビジネスや教育など様々な分野で活用されるようになってきています。
プロンプトエンジニアリングの事例
生成AIは日々進歩しており、前述のプロンプトエンジニアリングガイドも日々アップデートされています。2023年5月27日時点の事例になりますが、プロンプトエンジニアリングの一例を紹介します。ガイドより引用させていただきます。
例えば生成AIに以下のようなプロンプト(指示)をしたとします。
「私は市場に行って10個のリンゴを買いました。隣人に2つ、修理工に2つ渡しました。それから5つのリンゴを買って1つ食べました。残りは何個ですか?」
https://www.promptingguide.ai/jp
上記に対してAIからの出力は
「答えは11個」
と間違った回答が返ってきました。簡単な算数レベルの問題です。
しかし、上記のプロンプトに一文を加えて
「私は市場に行って10個のリンゴを買いました。隣人に2つ、修理工に2つ渡しました。それから5つのリンゴを買って1つ食べました。残りは何個ですか?ステップバイステップで考えてみましょう。」
https://www.promptingguide.ai/jp
とすると
「最初に、10個のリンゴから始めました。
https://www.promptingguide.ai/jp
隣人と修理工に合わせて、リンゴを2つずつ渡し、残りは6個になりました。
次に、5つのリンゴを買い、11個になりました。
最後に、1つのリンゴを食べたため、残りは10個になります。」
と正しい回答が出力されます。
上記について、生成AIの進化により「ステップバイステップで考えてみましょう」の一文が無くても、正しい回答が得られるようになるかもしれません。しかし、生成AIに指示するときに、プロンプトにどのように記載すれば正しい回答が得やすいのかを、理解して利用することが重要です。
これって対人スキルでも使えるかも
プロンプトエンジニアリングに関する研究は、世界中で盛んに行われています。そういった情報を素早く入手するのに、プロンプトエンジニアリングガイドは便利なツールです。
ガイドを読んでいて感じたのは、これって対人でも使えるなということです。
先ほどのプロンプトに「ステップバイステップで考えてみましょう」と付け加えるのも、子供に算数を教えるときに、「順序立てて考えたら良いよ。」と教えてあげるような感じです。
会社勤めの方は実感しているかと思いますが、上司の指示が抽象的で分かりづらいといった経験があると思います。生成AIも同じで、プロンプト(指示)に対して、回答に必要な条件をしっかり記載しないと、指示者が欲した好ましい回答ができないのです。
このあたりは従来の検索エンジンとは異なる感覚です。生成AIは非常に人間的だと感じます。
マイクロソフトは検索エンジンのBingに、生成AIのGPTを組み込んでいます。この仕組みは検索と生成AIの弱みを相互補完するという点で、非常に優れた組み合わせだなと感じました。Googleもこの動きには追従するでしょう。
対人スキルを身につけたいマネジメント層の方も、プロンプトエンジニアリングスキルの勉強をおすすめします。
生成AIをいかに正しい回答に導くのかが重要
現状ではChatGPTなどの生成AIは、動画やSNSのネタ程度に使われることが多いですが、今後はいかに正しい回答を導き、自身の仕事や生活に組み込むのかが重要になってきます。
プロンプトエンジニアについて知らないまま、生成AIは間違いが多くて使い物にならんと敬遠するか、どうすれば便利に使えるのかを追及するかで、世の中の見え方が変わってくるでしょう。
最初の印象で使えないと情報をシャットアウトせず、日々更新される最新情報をしっかりキャッチし、自ら進んで活用法を見出していきたいものです。