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アンケート調査で良質な結果が得られない!そんな時に考えるべきこと

経済

調査で本当に欲しい情報が収集できているのか?

インターネットの普及により、なんらかの調査を実施する際に比較的簡易に、広範囲でより多くのサンプルを得ることが可能になってきました。昔は街頭アンケートや電話調査など、範囲も狭く偏った調査になりがちでしたが、便利な世の中になりました。

しかし、広範囲で多くのサンプルが入手できるとしても、調査結果が役に立たないものであったり、また、事実と異なっていたりすれば意味がありません。

企業であればアンケート調査を委託したりする事もあるかと思いますが、どのような目的でどのような方法で実施されるのか、しっかり把握しておかないとお金の無駄づかいとなってしまいます。

どのように調査されているか把握していますか?

アンケート調査の質問内容や調査方法を把握することは重要です。調査会社にそれらを丸投げしている場合、調査結果の信憑性は疑わしいものになります。

例えば、最近では基本無料や広告を見たら無料といったサービスが溢れていますが、そういったサービスを利用継続する条件として、アンケート調査が行われる場合があります。不特定多数から大量の調査結果を得るには有効です。

しかし、そういった状況で実施されるアンケートは、ユーザー側からすると早くアンケートを終わらせて、元のコンテンツ(ゲームなど)に戻りたいという思いが強いため、回答内容は全く意図しないものになります。「〇〇に興味がありますか?」と質問された場合に、「はい」と回答するとその後も質問が続くことが容易に想像できるため、興味があったとしてもアンケートを早く終わらせるために「いいえ」と回答するのです。

調査を安価に委託すると、こういった調査方法を用いられる場合も多いため注意が必要です。大企業にありがちなアンケートを多く取ったという事実だけが欲しいのなら、このような調査でも良いのかもしれませんが、本当に有益な調査結果を得たいなら、質問内容や調査方法はしっかりと押さえる必要があります。

Win-Winの関係が正確な調査には必要

アンケート調査やヒアリング調査を実施する側は、いろいろな人の意見や考え方を確認することができてWinですが、アンケート回答者側のWinが考慮されていない調査では、正しい結果を得られることはありません。

調査内容によりますが、思い切って調査対象や人数を絞った方が良いでしょう。

調査したい内容について実際に困っている方や、調査目的に賛同してくれる方を対象にするなど、また、調査時間に見合った対価をお支払いすることも考慮すべきです。

日本のIT業界でコンサルティング会社が強いのは、各社のコンサルティングをしながら、困り事を本音で聞けることが強みだと思います。これはWin-Winの関係が成り立っているため、コンサルティング会社は信頼性の高いデータを多数得ることができ、ナレッジを蓄積・共有することでさらに有益なサービスを提供できます。

このような関係を調査対象者と構築できれば、良質な回答を得られます。

調査では事実だけを確認する

何かに困っている、現在はどうなのか?調査の際には事実を確認し、将来こうありたいといったことは調査項目からなるべく外しましょう。

たとえば、調査対象者に「将来こうありたい?」を聞こうとしたときには、質問はこちらが意図した内容「〇〇のようなサービスが必要だと感じますか?」みたいな質問になってしまいます。これはNGです。調査する意味のないものですので注意しましょう。

それよりも目的を達成するために必要な、現在の状況や立場、何に困っているのか、具体的に絞り込んでいくようなところに注力しましょう。

自分に有益な事は本人にも分からない

社会心理学者ダン・ギルバート「明日の幸せを科学する」に書かれていますが、「人間は何が自分を幸せにするか、自分がどのように幸せになるか、予測することがあまり得意ではない。」ということです。

宝くじに当選して億万長者になることを夢見ていた人が、実際億万長者になってみると、以前の生活の方が幸せだったなと、感じたりすることは多いようです。

Googleの例では、特別報酬を「現金」か「社員旅行」かを事前にアンケートを取り支給するという試みをしたとき、アンケートの結果は現金支給希望が圧倒的多数でした。しかし、支給後に数年経ってからの満足度調査では、現金支給希望の方も含め社員旅行の方が圧倒的に満足度が高いという結果になったそうです。現金支給に関しては、そのお金で何を買ったのかすら思い出せませんが、旅行は経験として深く刻まれ、何年経っても記憶に残ります。

上の項で調査は事実だけを確認する。とし、将来こうありたいといったことは調査からなるべく外すとしたのは、本人にも将来どうなれば幸せになれるのかは、分からないことが多いのです。

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調査内容や対象、目的により状況は変わりますが、上記のような事を考慮して調査を計画すれば、より良い調査結果を得られ、その先にあるプロダクトを成功に近づけることができるのではないでしょうか。参考になれば幸いです。

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