「三体」というタイトルで損してるかも。。
中国の作家、劉慈欣(りゅう じきん、リウ・ツーシン)氏の超大作SF小説をご存知でしょうか。アジアの作家で初のヒューゴー賞を受賞しています。
普段から小説を読まれる方やSF小説が好きな方は「三体」は当然知っているビッグタイトルですが、日本では私は思ったより盛り上がらなかったなという印象でした。ぜひ読まれていない方はこのページを読み終わった後に読んでほしいです。もっと一般層にも広がるかと思っていましたが、結構周囲で読んだ方が少なくて語りたくても語れない。。という感じです。私は読み終わった後に家族全員に勧めましたが、見事にスルーされました。。「三体」というタイトルで損してるのでは?と思ってしまいました。
日本人向けの話しだと思うので、もっと読まれて欲しい
日本での正式な発行部数は見つけられなかったのですが、50万部超は売れていそうということで、ヒットの部類にはなるかと思いますが、三体は1部、2部(上下)、3部(上下)と5冊ありますので、実質3部まですべて購入された方は、10万人程ではないでしょうか。
借りて読んでいる方も居られると思いますが、もっとたくさんの方に読んでほしいなと思い、今回取り上げました。
なんの情報も入れずに読んで欲しいためネタバレは避けますが、日本人はかなり好きなストーリーだと思います。
三体を読みたくなるワードをネタバレしないように書く
三体はSF小説なのですが、単純に宇宙戦争でドンパチというものではなく、人間ドラマ、社会ドラマ、ミステリー的な要素もあったりで、私は1部の終盤からはノンストップで最後まで読み切りました。1部の中盤までは背景を固めるフェーズで少しとっつきにくいのは否めません。
ネタバレに最大限注意して私なりに「三体」を読みたくなるようなワードをちりばめると。
・なぜ人類は地球外生命体の痕跡を見つけられないのか
・なぜ我々は3次元世界で生きているのか
・なぜ光の速度は秒速29万9792.458キロメートルなのか
・人類は宇宙へ飛び出すことができるのか
・ストーリーの尺度は毛沢東の時代から宇宙終焉の手前まで
これらワードに関する内容を長大なストーリーに絡めて独自のエッセンスで魅せていきます。
3部作、全5巻はちょっとしんどいと思われる方は、2部の下巻まで読んでみて欲しいです。そこまで読めば確実に3部も読むことになるでしょう。三体の評価が非常に高いのは2部の下巻が凄いところだと思います。
「三体」を読むときの工夫
中国の小説ですので、登場人物の多くは中国人です。人物名を読むときに工夫した方が私は読みやすかったです。
私は電子書籍版を購入したのですが、紙の書籍版ですと人物名表が別紙ついてくると聞きましたので、そちらを見ながら読むと良いですが、電子書籍版ですと人物名表は最初の方のページで戻って確認するのが面倒です。
登場人物の葉文潔は本文内ではイエ・ウェンジェとだけルビ(フリガナ)が振られていますが、人物名表ではよう・ぶんけつとも記載されています。人にもよるかと思いますが、私は現地読みのイエ・ウェンジェよりも日本語読みのよう・ぶんけつの方が覚えやすく、読みやすかったです。人物名に関しては漢字から自分なりに読み方を決めて読んでいった方が楽に読めるかと思います。しかし、人と三体の話しをする時に困るので、正式名は後から確認しましょう。
また、一部の中盤あたりまでは、なんだかよく分からない話しも多々ありますが、気にせずどんどん読み進めましょう。
SF小説はたまに読むと面白い
三体はバリバリのSF小説好きでは無くとも読みやすいと思います。第3部は結構マニアックな感じになってきますが、私は話自体は第3部が好きです。
三体を読み終わって三体ロスを埋めるために読んだ、「プロジェクトヘイル・メアリー」も非常に面白かったです。三体とは全く違う感覚のSF小説です。
SF小説って「銀河英雄伝説」みたいな感じ?と思っておられる方は一度「三体」読んでみてはいかがでしょうか。ちょっと見方が変わると思います。