転売ヤーを撲滅しないと企業価値を問われることに

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個人間売買メルカリも不正対策に追われ

新型コロナの影響からさらにロシア、ウクライナ問題等が重なり、世界中で物流が混乱しています。需要が供給を大幅に上回り欲しくても買えない状態が発生しています。

当初は半導体部品の供給不足が目立っていましたが、今ではその他の品物についても供給不足が深刻化しています。物が手に入らない状態になると、買い占めによる不当な高額転売が横行するということで、主に自動車やゲーム機などが転売のターゲットになっています。

個人間売買での不正増により、メルカリが77億円の赤字。不正対応に16億円が発生していると報道されていました。転売が横行すると物流の健全性が損なわれますから、対策が必要ですが、いたちごっこであり現在のところ有効な対策ができているとは言い難いです。

チケットの転売対策が最も進んでいる

現在ある程度効果が出ているのがチケットの転売対策でしょうか。2019年に「チケット不正転売禁止法」が施行され、違反により1年以下の懲役、100万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。

法律での縛りだけでは高額転売は無くなりません。チケット販売においても様々な対策が講じられています。電子チケット形式の不正対策が多いですが、スクリーンショット不可の電子チケットを会場で確認すると電子スタンプが押される仕組みなど、不正転売防止の対策もかなり進化しています。実用化に至っているのか分かりませんが、ブロックチェーンを使ったチケット管理なども研究されています。

チケットは入場までの一時的に利用される物で、比較的対策が打ちやすいという面もありそうです。

では、所有物に対しての転売対策はどうするのか?

高額転売のターゲットになっているゲーム機や自動車については、どのように対策をするべきか。私が知る限りでは以下のような対策がされてきましたが、対策が有効に働いているとは言い難いです。

ゲーム機の箱にショップで印を付ける

購入時にショップで箱に印を付けるというのは、受け渡し段階で新品から中古のような状態にして、高額転売を防ぐという対策です。プラモデルなどのホビー用品でも同様の対策がされています。しかし、最近ではそんなこともお構いなしで、箱に印がついている旨を説明欄に記載して高額転売されているケースもあり、転売屋も開き直ってきていて対策が有効では無くなりつつあります。

販売後1年間は売却しないよう誓約書を書かせる

自動車販売において新車販売後1年間は売却しないよう誓約書にサインしないと販売しませんという対策です。高額転売のターゲットになっているトヨタのランドクルーザーでの対策です。生産台数も少ないうえ、転売目的での購入が多く納期が1年以上となっています。

こちらの対策も有効ではなく、すでにランドクルーザーの転売車が市場に出回っています。誓約書に法的な効力もありませんので、これは当然といえば当然です。

抽選販売にする

現在のところ現実的な対策としては抽選販売ぐらいしか無さそうです。高額転売目的での購入者は販売情報の収集や、販売開始時の対応も一般消費者よりも数段優れています。本当にその商品が欲しい一般消費者に販売するためには抽選販売にすることと、当選時には再度申し込みができないような対策しか無さそうです。

抽選ですから一定数は転売に流れますが、通常販売で大多数が転売に流れるよりはマシです。

対策を徹底するならぶっ飛んだ案が必要かも

そんな対策は現実的ではないと鼻で笑われるかもしれませんが、ぶっ飛んだ対策案を挙げます。どこかの偉い人が現実的な対策として実現してくれることを期待します。

購入時に定価の倍額支払いで後から返金

まず購入時に定価の倍額程度を支払い、購入後になんらかのアクションにあわせて定価との差額を返金するような仕組みはどうでしょうか。

プラモデルなら空き箱のバーコードと完成品を並べて写真を取り申請ですとか、ゲーム機なら6か月か1年経過時に返金。自動車ですと初回車検時に返金など。

これにより転売行為を行う際の仕入れ値を枯渇させることもできます。正規の購入者は後々返金されるので、最初の出費は多いですが、高額転売で購入するよりは良いでしょう。

購入時にアカウントを強制紐付け

私はPS5発売時にはこの対策がされるのではないかと期待していたのですが、実施はされませんでした。購入時にPSアカウント紐付けがされ、期限付きで紐付け解除が出来ないという仕様にすれば良いのではないかと思います。

アカウントはクレジットカード情報が登録されたものが必要で、1アカウントに付き1台制限で販売する方法です。店頭での販売でどうやって紐づけるのか?という課題や、紐付けに関する手間がかなりかかるというのはあるかと思いますが、箱のバーコードとスマホアプリなどでなんとか対応できそうな気もしますが、どうでしょうか。

お店が把握した購入者のみ修理対応

購入者は会員登録を行い、購入した商品と購入者が紐付けされ、認証された商品のみアフターケアを受けられるという仕組みです。部品購入なども含まれるので、正規販売ルートを外れると一切修理等の行為が受けられなくなります。

高額転売対策は物流が混乱している今だからこそ対策を

ただでさえ物流が混乱している状況で高額転売によりさらに乱れが増す恐れもありますので、今こそ徹底的な対策を検討するべきだと思います。

また販売するメーカー側も対策が不十分なままでは、正規ルートで購入できないユーザーからの不満により、自社ブランドに傷が付く恐れもあります。全くメーカーは悪くないのですが、不本意なかたちでブランド力低下というのは本気で検討すべき課題です。

品質向上も大事ですが、ユーザー視点で何が大事なのかよく検討いただければと思います。

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