VTuber事務所が即終了!は必然
Youtubeで活躍する仮想のアバターを使ったYoutuber、VTuberの人気は凄まじいです。生放送中の投げ銭システム、スーパーチャットでもかなりの金額が投じられ、カリスマVTuberも多数登場しています。これをビジネスチャンスとして、参入を狙っている企業や組織は多いのではないでしょうか。いつまで人気が続くのかは未知数ですが、まだしばらくは右肩上がりは続くでしょう。
そんななかVTuberの活動を支援するVTuber事務所「colorful magic」が登場し、VTuberとして活躍したいと願う方々の注目を浴びたものの、即日に活動休止という事態となり話題になっています。
原因は運営者自身の認識の甘さと準備不足ということで、恐らく起業を趣味の延長程度に考えて初めてしまったのではないでしょうか。
事務所ってそもそも何?
VTuber事務所という事業形態で始めたばかりに、それなりの組織で運営されるものと認識されてしまったのではないでしょうか。実態は運営資金も0でスタッフを雇うということも全く考慮されていないもので、同好会レベルのものでした。
ここで疑問となるのが、事務所という事業形態に定義はあるのでしょうか。
事務所は法的には事務を行うための施設というだけで、他に縛りは無いようです。事務を行う施設ですから、不特定多数の方が訪れる場合は店舗となります。
今回の場合は商号としての「事務所」名称の利用で、芸能事務所や探偵事務所、デザイン事務所などがよく使われます。これらは名称ですから利用の制限は無いです。
そういったことからVTuber事務所と名乗って、従業員も一人、スタッフなし、所属するVTuberへの給与支払いも無いです、となっても何ら問題は無さそうです。しかし、芸能事務所をイメージした人たちからの猛批判により、自粛を迫られた恰好です。
立ち上げ時のイメージは大事。本件もサークルなら問題無かった
VTuberの方々が集まって、相互協力しながら有名になっていくというスタイルは、私は間違ってはいないのではないかと思います。しかし、立ち上げ時のイメージは大事で事務所としてしまったことから、VTuber活動の支援や資金提供や案件の斡旋など、従来の芸能事務所のようなところのイメージが先行してしまいました。
これがサークルや同好会とされていれば、ここまで大きく取り上げられることも無かったと思います。
例えばNPO法人と名乗るか、自然を守る会と名乗るかで組織イメージや規模に対する先入観は随分違うと思います。活動内容や規模で見合った名称を付けることは大事だなと、今回の件で感じました。
バーチャルだからこそWin-Winが大事に
今回は失敗に終わったVTuber事務所の「colorful magic」ですが、この事務所でどのようなビジネスモデルを描いていたのか、今となっては不明ですが、もしもVTuberを集めて手数料的なもので儲けようといったことを想定していたとすれば、遅かれ早かれ事業の存続は厳しかったと思います。
仮想空間が中心のビジネスだからこそ、運営者と主役であるVTuberのWin-Winを最優先にビジネス設計をする必要があります。最近は会員制のオンラインサロンなどもたくさん出来ていますが、ああいったビジネスもWin-Winが成立していないものは会員が全然集まりませんん。とくにインターネットの世界では無料が基本ですから、お金を払うことに非常にシビアです。しかし、ひとたびWinが確立されると継続的に支持を得られます。
バーチャルだからこその難しさを認識して、ビジネスを立ち上げる必要があるのではないでしょうか。
