ギャンブルは運営が必ず勝つゲーム
ギャンブルは運営している側が必ず勝つゲームです。もしも、運営側が負けるゲームがあるとすれば、そんなものは存続できません。なぜ負けると分かっているゲームで、自分だけは勝てると信じて続けてしまうのでしょうか。最近山口県で発生した、誤振込みの事件をキッカケにオンラインカジノが注目を浴びており、日本人プレイヤーも非常に多いようです。当然ながら運営側が相当儲けている事を考えると、プレイヤーはかなり負けているはずです。
また、スマホゲームのアイテムガチャや、金融商品のデイトレードのようなものもギャンブルと言えるでしょう。何故そう言ったものにハマって止められなくなるのか?知らぬ間にあなたも深みにハマってしまうかもしれません。注意が必要です。
依存症は病気なのでケアが必要です。
まず依存症まで行ってしまった方は、自分の力で断ち切ることはほぼ不可能です。専門の病院などの力を借りてケアできるよう何とか立ち直りを目指しましょう。
ギャンブル依存症は行動嗜癖(しへき)にあたります。嗜癖とは、ある特定の物質や行動、人間関係を特に好む性向です。依存行動に起因する健康・社会・家族問題が生じていても制御できません。以下はギャンブル依存症かどうかのチェックリストです。
- ギャンブルで負けたとき、負けた分を取り返そうとして別の日にまたギャンブルをしましたか。
- ギャンブルで負けたときも、勝っていると嘘をついたことがありますか。
- ギャンブルのために何か問題が生じたことがありますか。
- 自分がしようと思った以上にギャンブルにはまったことがありますか。
- ギャンブルのために人から非難を受けたことがありますか。
- 自分のギャンブル癖やその結果生じた事柄に対して、悪いなと感じたことがありますか。
- ギャンブルをやめようと思っても、不可能だと感じたことがありますか。
- ギャンブルの証拠となる券などを、家族の目に触れぬように隠したことがありますか。
- ギャンブルに使うお金に関して、家族と口論になったことがありますか。
- 借りたお金をギャンブルに使ってしまい、返せなくなったことがありますか。
- ギャンブルのために、仕事や学業をさぼったことがありますか。
- ギャンブルに使うお金はどのようにしてつくりましたか。またどのようにして借金をしましたか。当てはまるものに何個でも○をつ けてください。
上記のようなチェックを実施し、依存症の疑いありとなれば治療が必要となります。
人間は基本的にご都合主義、確証バイアス
人間は基本的に自分に都合の良いことを受け入れます。オンラインカジノをはじめて稼ぎたいと考えている人は、「先月は1000万円稼ぎました」みたいな情報ばかりを追いかけて、自分も儲かるんだと都合よく解釈します。
また、上記のギャンブル依存症チェックリストにもありますが、依存症の方は負けた時にも勝ったと嘘をつきます。自然とSNSなどでの情報は勝った方の情報が優勢になります。
これはギャンブルだけに限らず、例えば会議の席で自分に都合の良い意見ばかりを採用して、間違った結論に辿り着いてしまったり、進学する学校を決める際に先生の意見は耳に入らなかったり。結局周囲の意見はなかなか本人に届きません。この場合、本人の都合が別の方向に向くように誘導する術が必要です。
少し話しが変わりますが、大勢の人が居てガヤガヤしている中でも、気になる人の話し声は選別して聞き取る事ができる、「カクテルパーティ効果」がありますが、耳や目から入った情報も自分に都合の良いものを選別しています。人間の脳はそのように作られているのでしょう。
人生流されずに生きるには人間の特性を知る
人間は基本的にご都合主義で、自分の都合の良いことを受け入れると書きましたが、自分の都合とはどのように決まるのでしょうか。周囲から入ってくる情報をもとに自分で考えて、自分の判断ですべて決断しているのだ。と思っているかもしれませんが、人間の脳の特性を巧妙に利用して周囲から自分の都合を曲げられていることは多々あります。
まず、自分の行動が本当に必要なことなのか、振り返って考える癖をつけましょう。
私は行動経済学者のダン・アリエリー氏の本が好きなのですが、人間は合理的に行動していると考えていても、多くの場合に不合理な行動を行っている。という研究をまとめた「予想通りに不合理」というベストセラー本があります。非常に面白い本ですので、こういった本から人間の特性について知ることもひとつの手だと思います。また同氏のTEDの公演「我々は本当に自分で決めているのか?」これもおすすめです。
人間は非常に不思議な生き物で、自分自身のことを全く理解せずに生きています。せめて現代科学で判明している人間の特性はある程度理解し、流されずに上手に生きましょう。