BEVが本格普及するのは所有者が言い訳しなくてよくなった時

経済

BEV(バッテリー電気自動車)がキャズムを超える時

搭載バッテリーの電力だけで走行する自動車、BEVが市場にもかなり出回って来た感があります。欧州が電気自動車を推進していることから、車種は今後も増え続けるかと思います。

しかし、BEVが一般的になったかというとまだまだで、イノベーター理論でいうところの普及が本格化するキャズム(普及率16%あたり)を超えるところまでは、まだまだ遠いなと感じます。

BEVが本格普及するのに必要なこととはいろいろあるかと思いますが、まずBEVを所有している方が利用するうえで、いろいろ言い訳しなくてもよくなることが必要です。

ちなみに私はただの自動車好きで、パワートレインが内燃機関(エンジン)じゃないとダメだといったことは考えは無いです。BEV含め魅力的な車が増えてくれれば良いなと思っています。できれば2030年頃までにはBEVかプラグインハイブリッドを所有して、V2Hを実践したいなと考えていますが、ここで記載するような言い訳が不要な状況にならないと、手が出しづらいなと感じています。

BEVを所有するうえでよく聞く言い訳

現時点でのBEV所有者の言い訳上位は以下のようなものかと思います。

  • 自宅で充電して自分の使い方では1回の走行距離は短いから問題ない
  • 外出先での充電中は買い物や適度な休憩で潰すから問題無い
  • 車両価格が高いのは補助金や燃費で元が取れるから問題無い
  • バッテリー能力が低下する寒冷地には行かないから問題無い
  • バッテリー能力が低下する前に買い替えるから問題ない
  • マンションで充電設備は無いけど、近所のディーラーで充電できるから問題無い
  • 燃費で元が取れるから下取り(リセール)が低くても問題無い

BEVを所有することについて、上記のような言い訳をしながら乗らなければならない状況があるかと思います。こういった言い訳をしなくてもよい状況にならないと、BEV本格普及は難しいのではないかと感じています。

さらに、BEVにとって厳しいところは環境面で、ここのところロシア、ウクライナ問題でエネルギーリスクが高まっている点も不利なところです。BEVは走行時にはカーボンフリーですが、発電所での発電時やBEVに搭載する大容量バッテリー製造時、廃棄時には大量のカーボンを排出します。これらについても技術の進歩で改善していくという言い訳が今は必要です。

言い訳不要でBEVを利用するためには、ハードルをいくつも超える必要があります。

しかし、過去にはこういった言い訳をしながら使用していたものの、生活に欠かせないほど普及した製品は多数ありますので、BEVの進化にも期待したいところです。

言い訳必要を乗り越えて普及したもの、今だに言い訳が必要なもの

登場時はあれこれ言い訳しながら使用していたが、現在では必要不可欠なほど普及したものの代表格がスマートフォンだと思います。

私がはじめてスマートフォンを利用したのは、ソフトバンクから登場したHTC Desireでした。思い出すと当時はいろいろ言い訳しながら使っていました。なんせLINEも無く、アプリも今ほど便利なものは揃っていない時です。

  • バッテリーは寝る時に充電するから問題ない
  • 電話はほぼしないから問題ない
  • タッチ入力は慣れたら問題ない
  • バイブにしているから着メロは無くても問題ない

上記のような言い訳をしながら使っていたと記憶しています。特にバッテリーに関してはガラケーよりもかなり短いですし、当時はスマホを耳に当てて電話するのはどうなん?といった風潮でした。

しかし現在では上記のような言い訳はまったく不要です。逆にガラケーを使う方があれこれ言い訳が必要です。

スマホはそういった壁を乗り越えて普及した例ですが、今だに言い訳して使う必要がある代表格はスマートスピーカーではないでしょうか。

我が家にはGoogle Home(現在はGoogle Nest)がありますが、今はまったく利用していません。もしかすると使う時があるんじゃないかとコンセントにはつないでますが、誤認識でいきなりGoogleアシスタントがしゃべりだして存在に気付くような状態です。

登場時はスマホの次を担う製品ぐらいの勢いで各社でスマートスピーカー発売ラッシュがありましたが、利用してみて結局スマホで良いのでは?という意見が多く、スマートスピーカーは今だに言い訳しながら使わないといけない製品として、普及には至っていません。

メーカーもスマートスピーカーをこれ以上進化・普及させる意気込みは無さそうだと感じます。

BEVはスマホのように壁を超えられるのか?

強烈にBEVを推進していた欧州でも少し勢いが落ちてきているような気がします。どうしてもエネルギーリスクの壁が高く、BEV利用は限定的な範囲に留まるかもしれません。

しかし、スマホのように普及する可能性を秘めていますので、今後の進化に期待したいところです。

自動車好きの私の主張としては、BEVと内燃機関の自動車がバランスよく存在して、どちらも楽しめるのが最高です。一時期は完全にBEV方向に傾きつつありましたが、最近では傾向としてバランス方向に戻りつつあるのかなと感じています。この傾向は歓迎です。

話しは変わりますが、現在の自動車を買いたくても買えない状況に関しては、一刻も早く解消して欲しいところです。まずそれが解消しないと、BEVだ内燃機関だ以前に自動車離れが加速しそうです。(希少価値を狙うコレクターアイテムとなってしまう)

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