EVシフトに陰り?世界情勢がマツダの戦略を後押しする

経済

マツダのCX-60から始まるラージプラットフォームの破壊力

2022年秋マツダのラージ群のプラットフォームを採用したCX-60が登場します。以前からCX-60に関しては何度か書いてきましたが、最近の世界情勢からマツダのラージ群戦略がハマりそうだと感じています。

マツダのラージ群はEVシフトまでの繋ぎだと思っていたが

自動車業界は欧州をはじめEVシフトが当然のごとく動いています。そこにトヨタなど日本勢は完全なEVシフトなど現実的ではないと発信し続けています。しかし現在の自動車業界は欧州勢の発信力が強く、またSDGsといった環境面での後押しから、走行時に二酸化炭素を出すエンジン車から、EVへのシフトが必須という風潮です。

そんな中、マツダはさらに内燃機関の効率を上げていく、ラージ群を2022年から開始するということで、世界の自動車メーカーとは対極的な戦略を打ち出しています。

私はこのマツダの戦略は2030年頃までの繋ぎの戦略だろうと考えていたのですが、ロシア、ウクライナ情勢などによるエネルギー問題が深刻化していることから、マツダの戦略を後押しするような展開になりつつあると感じます。

欧州はロシアからエネルギー資源が供給されないことで、とうとう石炭まで発電に持ち出さなければならない状況です。当然石炭を燃やして発電した電力で車を走らせることは、なんのためのEVなのか本末転倒です。

欧州がEVシフトに積極的なのは、内燃機関を使った技術力で日本勢に勝てないことも大きな要因としてありそうです。一時期欧州ではクリーンディーゼルが流行りましたが、マツダのディーゼル技術は欧州勢より数歩抜きん出ています。また、エンジンと電動の組み合わせのハイブリッド技術ではトヨタが主要な特許を押さえています。欧州勢は技術力で競争するよりもゲームチェンジを選択したのです。

マツダディーゼルの3.3リッター燃費19.8km/ℓがとんでもない

CX-60に搭載される3.3リッターディーゼルエンジンは、脅威の燃費19.8km/ℓということで、大排気量エンジンの500N・mというトルクと、高燃費の両立を果たしています。

欧州勢が恐れていたことが現実に起こったという感じでしょうか。欧州勢はEVシフトを急ぎ内燃機関の開発費はかなり抑えているでしょうから、さらに先を行くマツダのエンジン技術に対抗するのは厳しそうです。

このラージプラットフォームは日本勢の他社へもOEM供給して欲しいところです。マツダの最大の欠点はどの車も同じに見える、という点だと思います。このプラットフォームを使った別のスタイルの車にも乗ってみたいです。

現在マツダが予定しているプランでは、3.3リッターディーゼルにはエンジン単体モデルか、マイルドハイブリッドを組み合わせたモデルしか予定されていませんが、もう少しバッテリー容量を増やしたストロングハイブリッドモデルが出れば、エネルギー効率や環境問題に対する当面の最適解になるのではないでしょうか。(エンジンルームスペース的にキツそうなのと、ディーゼルの特性とストロングハイブリッドが合わないのかも?)

CX-60のマイルドハイブリッドは燃費よりも、動作のスムーズさを重視する方向に振られているようで、エンジン単体モデルとの燃費差はわずかです。

いずれにしてもディーゼルエンジンの軽油は安価ですし、燃費も走りも良いとなればインパクトはかなり大きいです。

内燃機関の時代が伸びるほどマツダ優位

完全なEVシフトはまだまだ先だとしても、かなりの勢いでEV比率が上がりそうな勢いで業界が動いていたことは間違いありませんでした。しかし、戦争や新型コロナの影響等で、資源や部品調達が困難な状況となり、2022年の時点でもすでに内燃機関の寿命は、当初より5年程伸びて居るのではないでしょうか。

EVが市場を席巻する前にガソリンに代わる実用的な燃料が出てくれば、マツダの内燃機関を効率的に動かす技術がさらに活躍しそうです。

世界の動きを見ているとそちらの方が可能性が高そうな気もしてきました。仮にあと2、3年で戦争が終結したとしても、ロシアの資源が欧州にすぐに戻るとは思えません。戦争前のような状態にはならないでしょう。そうなると欧州全体の自動車をEVへシフトするのは夢物語です。ロシアの資源があったとしても可能なのか?と眉唾でしたので、かなり現実離れしてきているはずです。

私も日本人ですし、欧州企業の動きに手をこまねいているのは悲しいなと思っています。日本企業連合で現在の資源課題や社会情勢に最適な自動車社会を提案し、世界を先導していってほしいと思います。

CX-60ディーゼルを購入前に読んでほしい
マツダのディーゼルエンジンの特徴を知る 2022年秋にマツダのラージ群第一弾として、CX-60が発売されます。以前にも以下で取り上げましたので、是非こちらも読んでいただきたいです。 今回はCX-60のディーゼルエンジンモデルを購入検討されて...
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