PHRサービス事業協会発足!日本連合でグローバル企業に先行できるのか?

文化

日本は世界に先駆け超々高齢化社会へ突入

日本はすでに超高齢社会に突入しており、さらに高齢化人口の比率は高まっていき、今後数年で超々高齢社会(造語です、明確な定義はありません)と呼んでも良いような状況になっていきます。日本だけではなく、世界の先進国はどこも高齢社会に向かっており、日本において高齢社会のモデルケースを作ることで、世界にその事例を展開することができれば、将来の日本の主要産業は高齢化ビジネスとなるかもしれません。

そのためには官民協力して、これから迎えるさらなる高齢社会にどう対応するのか真剣に考える必要があります。

そんな中、日本の企業連合による「PHRサービス事業協会」が発足しました。

PHRサービスとは何?

みなさんは自分が医療行為を受けた記録をお持ちでしょうか?私は「おくすり手帳」と「健康診断結果」程度しか手元には持っていません。詳細な診療記録は受診した各病院に保管されており、本人はどのように記録されているのか通常は知る事が出来ません。

個人情報保護という観点から、医療カルテの開示請求は可能ですから、まったく知ることができないということはありませんが、自分に関する情報を入手するのに様々な手続きが必要ということになります。

こういった医療情報を自分で記録し、自分にとって必要な医療サービスが受けられるようにするのがPHRサービスです。PHRはPersonal Health Recordの略です。自分の健康情報を集約管理することで、自分の身になにかあった場合にも、適切に対処してもらうことが可能になります。

超高齢社会には健康管理が重要

超高齢社会を元気にするには、国民の健康寿命を伸ばし一人でも多くの人が、自分自身のために長く生きることです。高齢者になると自分以外の誰かのために生きている状態になってしまいがちですが、それでは健全な社会にはなりません。高齢者自身がやりがいを持って、趣味や社会活動に参加することが必要です。

そのためにはPHRサービスなどを活用し、自身の状態を把握し健康第一に考え活動できる社会にしなければなりません。

現在は医療のベンダーロックイン状態

現在の高齢者医療は意味もなく毎日病院に通い、治療らしい治療もせずに薬を貰って帰る。たまに病院へ行くとそんな光景が目につきます。医療機関も安定収入が得られますし、高齢者の方も日課で通うことで、それは生きがいになっているのかもしれません。しかし、さらなる高齢社会となると、医療費負担なども大きくなり、健全な社会にするには不要な診療はなるべく控え、もっと他のことを生きがいに、病院に行っている暇も無いというような社会が幸せなのだと思います。

IT業界では、主要なシステムをベンダーに押さえられ、抜け出せない状態をベンダーロックインと言い、これを解消することが大きな課題となっています。高齢医療に関してもベンダーロックイン状態を抜け出し、もっと活き活きと生活できるようにならないと、超々高齢社会は暗い未来を迎えそうです。

PHRに関してはグローバル企業が入り込む余地が無い動きを

日本人のパーソナルデータを最も多く所有しているのは、恐らく日本の行政ではなくGoogleやApple、MicrosoftやAmazonなどのグローバル巨大企業でしょう。このままではPHRサービス事業に関しても、グローバル企業に持っていかれる可能性が高いです。

なんといっても日本は世界に先駆けて、未知の超々高齢社会に突入するわけですから、日本で事業化できれば後に続く各国でも同様に展開できる可能性があります。

PHRサービス事業協会は日本企業連合で結成されるのですから、サービスも日本企業の仕組みをしっかり使った設計とするべきだと思います。ここでコスト面で有利だからとAWSやAzureに簡単に行ってしまうと、差別化の面で苦しくなるでしょう。簡単に後追いでグローバル企業に美味しいところを持っていかれる予感しかありません。

PHRサービス事業協会が、どれほどの信念を持って発足されたのか分かりませんが、チャレンジするなら日本国内だけではなく、グローバル視点で事業を進めて欲しいと思います。

「PHRサービス事業協会(仮称)」を設立します (METI/経済産業省)
製薬・医療機器をはじめ、健康アプリや保険等のPHRサービス事業を展開する企業15社が業種を超えて集まり、2022年6月16日に「PHRサービス事業協会(仮称)」設立宣言を行いました。今後2023年度早期の設立を目指します。 「PHRサービス...
タイトルとURLをコピーしました