生成AIでゲームが次のフェーズに移行するのも、そう遠くないかも

文化

基本設定と画像、プロンプトだけ埋めたらゲームが生成される未来

生成AIの進化が止まりません。GPT-3でプログラミング生成が話題になり、ChatGPTで一般層にも認知されると一気に裾野が広がり、テキストだけではなく画像から動画、音楽まで生成AIに生み出されています。

2024年も進化は止まらないでしょう。コンピューターの頭脳であるCPUやGPUも、生成AIに特化した性能を備えたものが主流になりそうです。現状ではインターネットの先のサーバーで処理する生成AIが主流です。画像生成AIのStable diffusionのように、自宅のPCにインストールして利用可能なものもありますが、それなりの性能が要求されます。

生成AIに特化したCPUなどが登場すれば、スマートフォンで生成AIの処理が可能になります。情報をサーバーにアップしないため、より安全に自分の秘書のように生成AIを使うことができるようになるでしょう。

ゲームなどエンタメの世界では、制作に生成AIを活用できることが今後重要になってくるでしょう。そのさらに先は制作自体も必要なくなるかもしれません。

基本設定と画像、それらをゲームとするためのプロンプトだけを埋め込めば、あとは生成AIがゲームとして動作させる。かなり先の未来に思えますが、意外にすぐそこまで来ているかもしれません。

自分だけのストーリー、ネタバレなし

Youtubeでのゲーム配信が盛んです。ストーリーもののゲームの場合、ゲームメーカーとしてはネタバレが悩みのタネでしょう。最近ではゲーム配信に関するルールを公式に発信することが主流となっています。とはいえ必ずルール無視で情報発信する人が居り、ネタバレは避けられません。

そんな中、生成AIが作る未来のゲームはネタバレの心配はありません。プロンプトを元に作成されるゲームはプレイする人それぞれ違うものになります。街やフィールドも皆違います。

ファミコン登場からの進化を考えると夢物語でもない

1986年に発売された初代ドラゴンクエストのソフトウェア容量は64KBでした。それが現在は10GB以上が主流です。

初代ドラクエから10年も経たない1993年には3D格闘ゲーム、バーチャファイターが登場しました。キャラクターの動作は全てドット絵を描いておく必要がありましたが、3DCGで描かれるバーチャファイターは演算によりキャラクターの動作を表現します。その滑らかな動作が新鮮でゲームの進化を感じました。その後は現在まで進化は続き、現実の世界と見紛うようなグラフィックで広大な世界に入り込めるようなゲームが体験できます。

バーチャファイタ―ではテクスチャ―(画像)を貼っていないポリゴンのキャラクターで、1秒間に30枚描画が限界でした。現在はかなり緻密で広大な空間を1秒間に100枚以上で描画することが可能です。現在生成AIでの画像生成は時間がかかりますが、3DCG同様に1秒間に数百枚の生成が可能になるでしょう。そうなれば、人間のコントローラー操作にあわせて画像をリアルに生成することができます。

現在のゲームはあくまで1993年のバーチャファイターなどの3DGCゲームの延長線上であり、開発規模も膨大になり、現実世界のような空間を作るため、昔のゲームとは比べものにならないような人員がつぎ込まれています。ゲーム開発において、ひとつのタイトルに何百億円と投資が必要という状況は異常です。このまま開発規模を拡大し続けることは不可能です。

生成AIによる未来のゲームは、これまでのゲームとは全く別の軸のものになるでしょう。人間はアイデアを出すだけです。ゲームに必要なものは全て生成AIが作りだす。進化途上では過去作のパクリ的な著作権上問題が出たりするかもしれません。

すでに生成AIでのゲーム制作はプロジェクトとして、いくつか動き出しています。これからの進化に期待です。また、クリエイターの方はどのように生成AIの世界に入り込めるのか、何ができるのかを考えておく事が重要でしょう。

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