なぜハイブリッド会議が上手くいかないのか?

文化

会議は完全リモートよりもハイブリッドが難しい

新型コロナの影響によりリモート会議が日本でも一般的になってきました。出社して席の間隔を空けて会議室に集まり、リアルな場での会議や会場でのイベントも戻りつつあります。

そうなると半数ぐらいの方がリモート、残りの半数の方はリアルに集まるというような「ハイブリッド会議」が主流になって来ます。このハイブリッド会議は完全リモートの会議よりも運営が難しく非常に悩ましいです。

リアルな会議室に集まっている人が盛り上がり、リモートの人は置き去りにされてしまうことも多いです。また会議室の設備とリアル参加者のPCとでハウリングが起こるトラブルや、会議室に設置したマイクで参加者の音声がうまく拾えないといったことも多いです。

ハイブリッド会議での現実的な解決策を、会議室の広さやタイプ別にこれまでの経験も踏まえ考えたものを紹介します。

ハイブリッド会議をもっと快適にしたいと考えておられる方の参考になればと思います。

リアル会議室に4~30人程度の場合

リアル会議室に4~5人という少人数の場合は、ハイブリッド会議の難易度は低く環境整備も楽に出来ます。

上の商品はYAMAHAのYVC-330という会議用マイク・スピーカー製品です。これと部屋全体を映せる広角のWEBカメラをディスプレイの上に設置するのがスマートです。

リアル会議室に参加する方は、このマイク・スピーカーに接続しているPC以外の端末マイク・スピーカーはOFFにし、ハウリングが発生しないように注意しましょう。

それ以上の人数、20人程度が間隔を空けて座るような会議室の場合、上記のYVC-330では音声を拾うには性能不足です。

またまたYAMAHAですが、小さなマイクを連結出来るYVC-1000が最適です。この専用の小型マイクで拾った音声は、ミキシングされて端末に送られますので、ハウリングが発生しない仕組みになっています。

大きな会議室で自分の声が届き辛いからと、会議室内で別の端末で会議マイクを起動するとハウリングが発生しますので、広めの会議室ではこのような製品を使うのが最適です。

実際にこの製品は利用していますが、小さな連結マイクも結構な範囲で音を拾いますし、リモート参加者にもかなりクリアに聞こえます。

難関のリアル会議室50人の場合

役員クラスが集合するような、50人ぐらい収容可能な会議室の場合は、素直に会議室設営のプロに任せる方が無難です。

以下は音響機器で有名なSHUREのデジタル・カンファレンス・システムですが、会議室内で使用するマイク・スピーカーすべてをミキサーを通してWEB会議システムに流すことでハウリングを抑制します。このSHURE製品はワイヤレスで125人まで参加可能ということで比較的お手軽です。

会議室のサイズや人数によってはもっと本格的な設備や有線でのマイク接続が必要な場合がありますが、きっちり機器を接続しても部屋の形状やスピーカーの配置でハウリングが発生することがあります。微妙な調整は素人では難しく、50人規模の会議室でストレスなくハイブリッド会議を開催するには、やはりプロの業者にお願いするのが無難だと個人的には思います。

ホワイトボード周辺に集まってディスカッションする場合

意外に難易度が高いのがホワイトボード周辺にざっくばらんに集まって、ディスカッションする場合です。

会議室用のマイクは固定ですので、リアル参加者が立ったり移動したりすると音声を拾えないといったことが起こりがちです。かといってリアル会議室の参加者全員が、個々にイヤホンマイクをして参加すると隣の人の音声を拾ってハウリングしたり、会議室内の声が時間差でWEB会議音声として聞こえて来て煩かったりします。

新型コロナ以降、どうすれば快適に出来るか悩みの種だったのですが、先ほど紹介したSHUREのワイヤレス・システムは小規模な人数向けの構成もありますので、ひとつの回答になるような気がします。こちらは実際に使ったことが無いので、また使用した際には何らかの形でお伝えできればと思います。

様々なシチュエーションで快適にハイブリッド会議を実施するということは、結構ハードルが高いですが、今後こういったスタイルが一般的になってくると、もっとお手軽で痒い所に手が届く製品が出て来そうです。

個人的には会議室内をカメラ付きドローンが自動で飛び回って、リモートの方もリアルな場と同じような臨場感を共有できるみたいなものが出てくると面白いなと思います。人を自動で追従して撮影するドローンはすでにありますので、汎用的に使える製品として登場して欲しいです。

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